設立趣旨書

カンボジア、ラオス、ベトナムのインドシナ地域は東西冷戦のさなか、戦禍に蹂躙され多くの国民が犠牲となりました。プレアビヒアもカンボジア内戦ではポル・ポト派の拠点のひとつとして激しい銃火に見舞われ、そして今またタイとカンボジアの国境紛争が尾を引き両国が軍隊を派遣して対峙する緊張状態が続いています。
世界遺産に登録されたプレアビヒアも長年の戦禍で荒れ果てて崩落の危機に瀕し、周辺に住む人々は最貧国としての生活を余儀なくされ、子供は教育の機会どころか劣悪な衛生・生活状態の中でなんとか今日を生き延び明日を迎えようとしています。
アジアでは中国やインドなどの大国が目覚ましい経済発展を遂げつつある一方で、カンボジアやラオスなど最貧国とされる国々では今もなお、日々の食べ物すら満足に得られない人々が少なくありません。幼い子どもたちは今日も病気や地雷で命を失い、明日をも知れぬ生活を送っているのが現状です。
「アジアの誇り・プレアビヒア日本協会」はこのプレアビヒア遺跡を新たな平和の象徴にしたいと思っています。そして、経済的に立ち遅れたカンボジア、隣接するラオスの人々が、先祖が遺してくれた世界的にも貴重な遺産に囲まれていることの幸運と有り難さに目覚め、有効に活用することでより豊かな生活への可能性を自覚し、自助努力に根差した“自立”を目指し人間としての尊厳を取り戻すことを願っています。
私たちは、今まで個々の社会経験によって培った技術と経験を生かし、カンボジアをはじめとするアジア諸国の発展に寄与すべく、各々の立場から永くそれぞれの課題に取り組んでまいりました。このたび、志を同じくするものが相集い、その情熱と能力を結集して人脈をネットワーク化し、同じアジアの友人と手を携えて荒れ果てた遺跡を修復・復元し、その景観保護および周辺地域の環境保全、住民の生活向上をお手伝いしたいと思い、「アジアの誇り・プレアビヒア日本協会」を設立する運びとなりました。
当会は、カンボジア、ラオス、タイなど隣接諸国との国際協力活動を通じて友好を深め、植林活動などによって環境保全に資するとともに、観光資源としての価値を高めて住民の経済的自立を支援し、貧困の撲滅と健康的な生活を目指します。その他のアジア地域においても、プレアビヒア遺跡事業の成果を見極めつつ、人々が「アジア人」として生きることに誇りを持ち、真に人間としての尊厳と自信を保てるように環境保全・経済発展・文化財保護が同時に成り立つような国際協力活動を行っていきます。
すでに上記の趣旨に賛同して韓国、台湾、ネパールなどの国で同様の組織を立ち上げているアジアの友人たちと協働し、私たちは経験豊かで情熱あふれる人材を広く募って「アジアの誇り・プレアビヒア日本協会」を設立し、地道な活動を重ねるとともに、日本の市民が自由闊達な社会貢献活動に参加する機会を提供することによって、アジアの人々と社会に貢献しようとするものです。